10年ぶりに怪我をして気づいた事

先日器械体操の床技であるハンドスプリングの着地に失敗して
およそ10年ぶりに怪我をしてしまいました。


左足関節後方インピンジメント。
過剰骨である三角骨の挟みこみによる骨膜損傷です。


バク転を久しぶりにやりたくなりアップのつもりで
簡単な技で身体を慣らしていこうと思ったら矢先に受傷。


だいぶダサいです。(笑)


もう若い頃のように身体は動かないのだと悲しくなりました。(笑)


さて今回かなり久しぶりに怪我をしたわけですが
改めて気がつくことがたくさんありました。


日々僕ら柔道整復師は患者さんの怪我に対して手当をしているわけですが
辛い痛みを抱えている患者さんの気持ちに寄り添うことはとても大事なことです。


僕も多くの怪我を経験しているので寄り添うことはできていると思っていました。


しかし日々の臨床を振り返り
現在、怪我した自分の気持ちと照らし合わせると
どうやら寄り添いきれていない。


怪我の本当の辛さ。正直忘れていました。


今回の怪我で改めて気づいた、学んだことを綴っていきたいと思います



1、とりあえずすげー痛い




受傷直後あまりの痛さにその場に倒れ込み
5分間くらいうずくまり悶えていました。


広大な人工芝エリアで1人悶えている
だいぶ滑稽な姿だったと思います。(笑)


しばらくして痛みがひいてきて立ち上がる事ができ
大丈夫かな?と思いましたが
どんどん痛みが強くなり歩行時に足を引きずる始末に。


足首を動かしても痛くないのですが
歩行時に足をつく瞬間と離れる瞬間がものすごい激痛。


深い部分に局所的な圧痛もありました。


自分も柔道整復師でありトレーナーでもあります。
テーピング固定なんかは得意です。


自身で怪我の評価をしテーピングで固定をしたのですが
どんな固定を施しても痛い。


まったく痛みに変化ない


これには落胆しましたね。


都内から横浜まで電車で帰宅するのが本当にキツかったです。




2、身体中が痛い





そんなわけでずっと歩行時足を引きずっているわけです。


患側の左足が使えない分健側の右足はもちろん
膝関節や股関節を無理に使い歩行をしていきます。


左足に体重も乗せれないので右側に重心が偏ったままになり
身体が歪み姿勢も悪くなり身体の色んなところに負担がかかり続ける。

結果、脛や股関節、腰が痛くなり
背中は緊張してきて首肩が凝りやすくなりました。



3、不安  



一応僕も外傷を診る専門家として怪我がどういう経緯を辿って
治癒まで導いていくかある程度の事は推測できます。


しかしあまりの強い痛みに
不安が募って行きました。


後輩にも


『この怪我本当に大丈夫かな?』


と聞いてしまうくらいです。


最初の時点で自分はもちろん院長や後輩にも足を診てもらい
骨には異常はないと考えていました。


しかし受傷から1週間半経っても痛みは減るどころか悪化してきている。
骨にも異常があるんじゃないかと思うように。


『もし骨折やヒビが入っていたらどうしよう、、、』


『そしたらギブス固定に松葉杖?、、、』


『そうしたら仕事できない、、、』


『仮に骨折だったとして1週間半厳重な固定ができていなかったから
もう手遅れで遷延治癒になり骨折部が偽関節になり機能障害が一生残ったら、、、』


『そうしたらオペ?将来変形性足関節症になったらどうしよう、、、』


外傷の知識が少しある分、余計に不安に考えてしまいました。


なので一度顧問医の先生へ相談し画像検査をしてもらうことに。


結果骨に異常なく現在の治療で問題ないとのことでした。


その時かけてくれた先生の優しい言葉、
ホッと心の中にあるわだかまりが無くなっていったのが
今でも覚えています。


僕もこんな言葉をかけてあげれるようになりたい。
そう思いました。



4、自律神経が乱れてくる



強い痛み、普段できる事ができないもどかしさ、不安など、
ストレスを感じ続けると自律神経が乱れてくるのがわかりました。


ちょっとしたことでイライラしますし
夜間の寝付きも悪くなり疲労が解消されない日々が続いていました。


正直外傷でここまで強いストレスを感じて
自律神経が乱れるとは思っていなく
慢性疾患の方達と比べ少し軽視していました。


僕も学生時代に怪我を繰り返して辛い思いはたくさんしましたが
人間嫌な記憶は忘れるようにできてるといいます。


今回の怪我まですっかり忘れていたようで、
改めて思い出す事ができて本当によかったです。


それと確証は持てませんが自律神経が乱れて
免疫力が低下したのか体調もしっかり崩しました。(笑)



まとめ



患者さんは本当に痛い
なので出来る限り痛みに寄り添ってあげる。


機械的に
『〇〇と〇〇が痛い。じゃあ捻挫だね』
と説明するのではく


『これ、、かなり痛かったでしょ、、、』


と優しい言葉をかけ、寄り添い辛さは共有してあげる。
それだけでもかなり心は救われるはずです。


そして不安


治療法は何であれ痛みが減る減らないに関わらず
最終的にはその方が少しでも安心してもらえるようにする。


不安を解消してあげるような説明、言葉使い、気遣いというのが
本当に大事なことだと改めて思いました。


最後に必須なのが心のケア。


不安が蓄積してくると心も落ち込んできます。
自律神経が乱れて自然治癒力が低下すれば怪我の治りも低下しやすい。


そこで元気になってくれるような言葉かけや環境作りを提供する。


今までの臨床でも意識はしていましたけど
当事者の気持ちになり、より大事な事なんだと考えなおしました。


今回怪我をして辛いことはたくさんありましたが
改めて気が付いた事や学びになったことがたくさんありました。


多少臨床慣れしていた自分にはとてもいいキッカケになったと思います。


今後患者さんを対応する際は
今まで以上に寄り添うことができるだろうと確信しています。


ちなみにこのブログを書いてる時も足はまだ痛いです。(笑)
早く治らないかな〜。
もう二度と怪我はしたくないですね。






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柔道整復師 原田健太郎

身体の事、治療の事、日々の思う事を自分の中で文章化しアウトプットしていきます。 文章力、発信力を養いこれからの時代に必要とされる人財を目指していきたいと考えています。