2〜3年前くらいから呼吸というワードを治療院やトレーナーの間で頻繁に見かけるようになりました。
呼吸を変えて症状の改善を図る。
僕にはそれが全然イメージできませんでした。
当時痛みの出る部位や硬い部位を柔らかくする事が症状をとる上で一番必要だと本気で考えていた。
しかしいくら硬い筋肉を押して柔らかくする、
硬い関節をストレッチして可動域を広げる。
それにより慢性症状が治療後は症状が緩和するが
何日か経つ頃にはほとんど症状が再発してしまう。
中々治療結果が出せないでいる事にずっと悩んでいました。
硬い部位を緩める筋膜リリースの方法やストレッチの方法などのセミナーも受けてきました。
しかし結果は一緒。
何か硬い部位を緩める以外に治療方法がないかずっと探していました。
そんな時他の接骨院さんの広告でみかけた
呼吸というアプローチ。
しかしどうアプローチするか想像がつかなかったので呼吸に関するセミナーを探して何度か参加してみることにしました。
書籍も購入し呼吸について知識を深めていきました。
学びを続け何とか呼吸アプローチに対する理論と実技を得ることができました。
呼吸をアプローチするそれすなわち
呼吸する時に活動する筋肉、
呼吸筋を促通させることが目的になります。
いくつかある呼吸筋の中で
特に重要になってくるのが
"横隔膜"という筋肉です。
横隔膜とは肋骨の内側にあるドーム状の筋肉です。
(画像:ヒューマン・アナトミー・アトラス2019Visible Bodyより)
この筋肉が収縮することにより肺が引き伸ばされ酸素が流入しわたし達は呼吸を繰り返すことができます。
この横隔膜が何らかの影響により機能不全が起こり呼吸リズムが崩れ身体に様々な支障をきたしていきます。
横隔膜を使った呼吸ができなくなると肩をすくめたり腰を反らして呼吸するようになってしまう。
呼吸は一日約二万回すると言われています。
そうすると肩や腰を呼吸するたびに使うようになってしまい疲労が蓄積し肩こりや腰痛になってきてしまいます。
さらに横隔膜はインナーユニットと呼ばれている体幹部を支える筋肉の一つでもあります。
インナーユニットが働なかくなってしまうと
体幹部が安定しなくなり姿勢不良が生じてしまいさらに腰痛、肩こりが出やすくなってしまう。
運動時にも体幹部が安定しないと身体の他の部位が足りない安定性を代償してしまうためスポーツ障害にもなりやすくなってしまいます。
さらに横隔膜はアナトミートレインでいうディープフロントラインと呼ばれている筋膜の繋がりの中心に位置する筋肉でもあります。
(画像:ヒューマン・アナトミー・アトラス2019Visible Bodyより)
ディープフロントラインは足底から頭蓋まで繋がっている筋膜で、
役割としては身体内部の固定や
姿勢維持が主な役割となります。
身体の末端部に生じている痛みも
この筋膜が短縮、
もしくは弛緩していることが
原因で発生しているという可能性もあります。
それだけ横隔膜は人間の身体を支える上でとても重要な筋肉なのです。
初日のセミナーは背もたれのない椅子で講義を聞く形でしたが元々腰痛持ちの自分にはかなり苦痛でした。
そして実技を行う際に呼吸筋トレーニングをし横隔膜を促通させてもらいました。
そうしたら腰が痛くて座ってられなかったのに
トレーニング後は全然痛くない!
痛い所は押す、硬い関節は伸ばすしか能のなかった自分にはとても衝撃的でした。
その後患者さんやアスリートへ呼吸指導を
行うようにしました。
そうしたら症状の改善に対しかなり結果が出るようになり
多くの方に喜んでもらえるようになりました。
呼吸、そして横隔膜。
この二つの重要性について改めて
認識することが出来た二年間でした。
横隔膜が何らかの影響により機能不全が起きてしまうと書きました。
その影響の多くが自律神経の乱れだと言われています。
次は自律神経…学びは終わりませんね。
柔道整復師 原田健太郎
身体の事、治療の事、日々の思う事を自分の中で文章化しアウトプットしていきます。 文章力、発信力を養いこれからの時代に必要とされる人財を目指していきたいと考えています。
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